民族英雄譚であり、民族建国譚の神話の解説である。神話であるが故に神が出てくる。神が言うことは、なかなかに理不尽、なんでやねんだったりする。そこは、所詮、神のお話しである。不合理なのだ。許してやってくれ。読者としては、はー、そーですかーと受…
身体知を習得するための、謙虚さについての本だ。「いい人」になっていくことの本と言ってもいい。 レイコ先生も言う。センスがあったり、飲み込みの早い人はいる。「わかる!」「わかった!」ということだ。早々に、事象を頭の中で抽象化しイメージして「理…
10年前に書かれた本を答え合わせのように読んでみる。 結果としてのいま、青学陸上部の黄金期がある。このことは、イノベーションの典型例と言っていい。ベンチャー企業として創業しただけでなく、その後も業界でトップランナー(!)として君臨しているのだ…
お手軽ハウツー本だと舐めてかかると痛い目に合うぞ。「サクちゃんという哲学」である。コミュニケーションや発意、感情、捉え方見方などについての「サクちゃん・ウェイ」であり、「サクちゃん・メソッド」である。現代の哲人・サクちゃんの思考だ。 サクち…
飛脚とはシステムである。中継リレーが上手くいくよう手筈が整っている必要がある。 サービスが高度化しシステムが開発されるときのニーズとは、大抵の場合、軍事目的・軍事利用が端緒である。飛脚というシステマチックな仕組みもそうで、最前線と司令官との…
「すまじきものは宮仕え」の企業小説、サラリーマン小説だ。 我々が、西遊記の主要登場人物だと思っていた一団の4名は、ただのプレイヤーであり、台本を書き演出を施したディレクター陣がいたのだ。見えているのは、全てではない。なるほど、中国の奥深い知…
もはや、日本の元気と前向きさを作るメートル原器・成瀬あかりだ。 世間との折り合いを少しだけ増やしながら、成長し交友の範囲を広げているが、それでも成瀬は変わらない。読者はそこを確認して安堵する。 成瀬あかりらしさとは、何か。価値を自分で見つけ…
GT(ゲンイチロー・タカハシ)ことゲンちゃんは寂しいのだ。 人が亡くなって「いなくなる」。そのことがただただ寂しいのだ。 そして、そのことを我が国のチョー天才・鶴見俊輔を引いて、そして引いたことをアウトラインにしながら、いなくなることについて…
ヒトの臭いがただよい、苦味が広がる。苦労が生む人間の滋味とはそういうものだろう。若き清張にとって、生きるため、ただただ精一杯だっただけかもしれない。それでも、よくぞ耐えましたね、と声をかけたい。本という相棒がそばにあったから故かもしれない…
言われてみれば当たり前のことだが、江戸時代には戸籍はない。近代明治国家が、すべての人民を一元的に管理し、徴税と徴兵を課すために作ったのであり、そこで日本人とされた者が住むところを本邦の領土としたのだ。いや、その逆も然り。我が国土に住む者を…
男の孤独である。結局、大した動機もなく織田を離れたが故に、家中において語り合う者なき寂しさが際立つ。 理に聡い者は、策を練る。策がハマり”勝つ“。そして功を為し、勢力となる。策とは、講じるときが面白い。状況を探り、関係を図り、必勝に持ち込む。…
「女の人生」と書くと演歌の世界か。「空想女子共同生活小説」、これも少し違うか。 女性限定のシェアハウスである。実は昭和生まれが対象なので人生の後半を生きる者が入居条件だ。一本調子では進まないのが人生だ。目の前で起きていることとの折り合いをつ…
「うわー」。顔をゆがめ、つい声が出そうになる。禍々しいものを見てしまった。そんな気分だ。 世の中を動かす方の本音が満載だ。「視野狭窄状態の集団の操作」だもんね。正面から歩もうにも、うつろい、掴みきれない「正解」。虚実だけでなく、オモテとウラ…
この時代の気分を明確に表した傑作だ。 リボンちゃんを通じて、寺地は、薄ぼんやりとしたグラデーションのある感情を言葉にしていく。しかも、それを伝達の道具としてではなくて、時代を表現するように、だ。 実は、世の中は、こんな「気分」が潜在している…
「勉強しなさい」と言われ、行う作業・行為とは何か。書き取りか、副教材・ドリルの斜め読みか、ワークや問題集をひたすら解くことか。違う。「勉強」とは、まずは「教科書」を7回、読むことだ。これこそが勉強そのものであり、ここから始まるのだったのだ…
逆境である。「何の因果か」ではなく、不運や己れのしくじりが引き起こした結果ではあるが、いま、うらぶれた長屋に住む面々の話しだ。 わだかまりである。どーしてこーなっちゃうのかなー、である。なんでだよー、だ。アゲインストは、いつ終わるかはわから…
金融とは、いかにも政治である。本書においては。ただ、本来、そうあっちゃいけない。 金融システムを維持するために、日銀特融や公的資金注入などによりシステム不全を未然に防ぐことはどうしても必要であり、モラルハザードを声高に叫び経営責任をことさら…
あなたはお金持ちを相手に商売をしたいか。 それはどうやら、自分の人生で、自分が自分自身にリーダーシップを発揮することを選択することになる。誰彼から指示命令を受けるだけの人間では話しにならない。自分自身のボスは自分であり、そのことを選択した者…
薄れて朧げになっていく家族の記憶を、娘が語る話しだ。よくもマァ、ここまで掘り下げたものだし、向き合ったものだ。 ヤクザと芸者から足を洗って堅気として生きる両親のことを、記録と幼少の文学体験とともに辿る。大好きな父とはいえ、記録された父の記述…
「きっかけ」の可視化である。そんな一大事は起きない。モブの人生とは平坦であったとして、それでも冠婚葬祭、成長や老化はある。そこに出会いも別れもある。大げさなことではなくても、そうした出来事が人をつくる。とは言え、些細な出来事は流され、消え…
思い出すのは、「なるほどザ・ワールド」であり「世界ウルルん滞在記」だ。リポーターが世界へ飛び出し、現地を伝える。我々は、世界の本当を知った気になった。兼高かおるが作り上げられた「世界」に満足できなくなったお茶の間が求めた「海外」だった。当…
ナウシカのオマージュである。 シュワの墓所の主が登場し、絶滅種としての人類が描かれる。 繁栄と没落を神の営みと絡め書き表したかったのは何故だろうか。東日本大震災から3年後に上梓された本書は、震災後の社会へのアンサーソングであったのだろう。当…
「教えてくれ。ジンジン!」と叫びたいオジさんは、日本に相当な数がいるのではないか。 作家の手により、いじられる対象である主人公・クワコーこと桑潟幸一の窮地。掛かる事態を見抜き、情けないクワコーの困難を救うべく、切り札をスパッと出すホームレス…
紛争の解決の場面において、加害者も被害者も、しばしば能面のような表情を持たない面倒くさがりな事務的な処理によって、ひどく非人間的で杓子定規な扱いを受けてしまう、ということだ。それも、権威性を帯びて。 さて、どうやって「我が身を守る」のか。結…
地方自治法の教科書であり、地方行政の外側から地方役場に飛び込んだ良書のルポだ。 何より、実例に基づいていてわかりやすいし、ストレートな表現が面白い。市長を3期つとめた本人が気取らず、正直に書いている。本人自身が書いているのがわかる。とは言え…
時代からちょっと早い冨山さんの熱いメッセージだ。それにしても、まいったな。冨山さんが言いたいのは、世の中の経営能力不足問題、ビジネス戦闘能力不足問題となるのではないか。あるいは構想力、問題発見能力が足りてないとの指摘か。 個々の被雇用者は、…
もう、結構な毒はまわっているのではないか。 人口維持が難しい消滅可能性自治体と、その中で「地方創生」の核となるはずなのにヒト・モノ・カネが全く足りず、派手に話題が盛り上がり評判を呼ぶためのことなら、とにかく何でもいいからなんかやれ、と踊らさ…
知っているようで案外と知らない都市の地誌である。もちろん、全国の天気予報で毎日伝えられる街もあれば、そうじゃないところも紹介される。でも、メジャーかどうかより、歴史のトピックが立った場所かどうかが、30の選に入ったか漏れたかの違いだ。 いくつ…
ライブってことだろ。生きてる!っつーか。 一人でいるとき、もしくは周りに人がいてもどうしようないとき、自分の息が聞こえる。目の前に人がいて、その人のことを何とはなしに気にしていると、互いに喋っていなくても、自分の呼吸の音は聞こえない。もしく…
粉薬を飲むごとき煩わしさだ。苦い匂いや味が鼻と口に広がる。勢いよく飲めば咽せ返る。そんな一冊だ。 日本とは、なかなか人を得ない。つくづく、そう思う。一角の人物が大きな役目を担わない。結果、中途半端な痴れ者がのさばり、碌なことにならない。軍人…