2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧
大局観を持って現代社会を語れる知性である養老孟司。その後継者にもっともふさわしいポジションにいる山極寿一。二人の対談本である。互いが語ることは幅広い。何せ,虫を趣味とする解剖学者と類人猿をテーマとするフィールドワーカーの組み合わせだ。双方…
コロナ禍のいま,あらためて「病気とは」そのものから考える一冊。書評サイトHonzで活躍するオモロいオッちゃんである仲野先生が説く病理学である。 病気の学問である病理学の立場からは,医学や生物学で使われる論理の多くは,決して論理的な難しさがあるわ…
ザワザワするのだ。実際に,本人も周りも吃音であるーという認識なく暮らしているとしても,「私」が私のコントロールから外れていく様,もしくは,私から見て「私」がブレてしまう感じは,体への違和感や観察する自分の「意思」や,「感情」としての自分と…
薩摩閥の一残影の物語である。薩摩の系譜から兵器の代理商となり,莫大な富を築いた赤星弥之助の長男・鉄馬。同時代人に,吉田茂,白洲次郎,樺山愛輔らがおり,敗戦前に大磯に暮らしていたと言えば,明治期に英米留学したジェントルマンである人となりは伝…