2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

読書感想文「私と街たち(ほぼ自伝)」吉本ばなな (著)

人生下り坂最高!(火野正平)の手前,まだまだ悩める吉本ばななである。 よしゃあいいのに,人生のあれやこれやを思い出す。そして,悔いたり寂しがったりする。かつて住んだそれぞれの場所でのヒリヒリする思い出やゾワゾワする落ち着かない危なかっしいア…

読書感想文「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」鈴木 忠平 (著)

契約とは何か。概念や理屈ではなく,肌身として,このことがわかっている日本人が何人いるだろうか。落合博満とは,そうしたプロフェッショナルな側の人間だ。 監督・野村克也にとって打者・落合はどうしても打たれてしまう諦めの相手であり,理解不能だった…

読書感想文「壁とともに生きる: わたしと「安部公房」」ヤマザキマリ (著)

ヤマザキマリは,ずっと安部公房を推している。 エッセイでも,TV番組でもだ。彼女にとって羅針盤となった安部公房の小説群は,彼女の人生の苦難を相対化してみせ,そして人間というものの存在について彼女の全身に電気が走るようにして焼きつけた。 そんな…

読書感想文「スティーブ・ジョブズ 失敗を勝利に変える底力」竹内 一正 (著)

今ごろ,ジョブズかよ。そうなのだ。もはや,みんな知ってる教科書に載る偉人だ。エジソンやフォード一世と同格か,それ以上の存在だろう。今さらだ。 エピソードや伝記の類であれば,食傷気味だ。だが,この本の価値はそこじゃない。欠点だらけの人物だった…

読書感想文「人間関係のレッスン」向後 善之 (著)

暴力的なまでのモラハラ=パワハラやいじめに,どう対処するかを説いた本だ。それも具体的にだ。 強烈なモラハラを受けている時の体や心の変化をどう発見するか。そして,どう対処するか。それを,できそうもない方法やありえない手法で煙に巻くのではなく,…