2025-03-01から1ヶ月間の記事一覧
歴史は書き手と読み手を必要とする。 小説家・司馬遼太郎は、歴史エンタメを為した。あまりにも上手くて、半藤一利は嫉妬したと言っていい。そんな具合だから、司馬遼の歴史エンタメが面白すぎて、日本人はいまだに虜になっている。その一方で、体力を要する…
組織っちゅうもんの渡り方や。 しょせん、組織の中の一人なんてコマや。スケープゴートが必要になれば、あいつでええやろ、となる。まして、敵として認定された結論に至ってしまえば、再起不能か蜂の巣だ。怖いものだ。そんな中で自分をどう守るか。「いざと…
こういうのが、イイんだよ。オレたちの読みたいエンタメって。 棒手振りの主人公が暮らす深川。訳ありの浪人、大工の親方、長屋のアイドルの町娘、その親の飾り職人らが登場する下町が舞台。お気楽な時代劇ファンとしてはご馳走だ。こちとら、江戸の風情を楽…
刑事事件とその裁判が生々しいほどに詳細だ。 あまりにも耳に馴染んでしまった特殊詐欺や闇バイトという言葉に、「怖いねー」「気をつけなくちゃねー」「ホントにねー」ではなく、それらがシステムとしてこの社会で機能してしまっていることを恐れるべきなの…
柔らかさや温もりをいだいた5編の短編集だ。 生物や天文、地学、動物、科学史といった、決して最先端ではなく、むしろ労力と地道さが必要な科学の現場を横糸に、地方を舞台とした少し寂しい風景を描いた。 情報科学と金融工学が進み、気持ちや気分を動かす…