2026-01-01から1年間の記事一覧
この時代の気分を明確に表した傑作だ。 リボンちゃんを通じて、寺地は、薄ぼんやりとしたグラデーションのある感情を言葉にしていく。しかも、それを伝達の道具としてではなくて、時代を表現するように、だ。 実は、世の中は、こんな「気分」が潜在している…
「勉強しなさい」と言われ、行う作業・行為とは何か。書き取りか、副教材・ドリルの斜め読みか、ワークや問題集をひたすら解くことか。違う。「勉強」とは、まずは「教科書」を7回、読むことだ。これこそが勉強そのものであり、ここから始まるのだったのだ…
逆境である。「何の因果か」ではなく、不運や己れのしくじりが引き起こした結果ではあるが、いま、うらぶれた長屋に住む面々の話しだ。 わだかまりである。どーしてこーなっちゃうのかなー、である。なんでだよー、だ。アゲインストは、いつ終わるかはわから…
金融とは、いかにも政治である。本書においては。ただ、本来、そうあっちゃいけない。 金融システムを維持するために、日銀特融や公的資金注入などによりシステム不全を未然に防ぐことはどうしても必要であり、モラルハザードを声高に叫び経営責任をことさら…
あなたはお金持ちを相手に商売をしたいか。 それはどうやら、自分の人生で、自分が自分自身にリーダーシップを発揮することを選択することになる。誰彼から指示命令を受けるだけの人間では話しにならない。自分自身のボスは自分であり、そのことを選択した者…
薄れて朧げになっていく家族の記憶を、娘が語る話しだ。よくもマァ、ここまで掘り下げたものだし、向き合ったものだ。 ヤクザと芸者から足を洗って堅気として生きる両親のことを、記録と幼少の文学体験とともに辿る。大好きな父とはいえ、記録された父の記述…
「きっかけ」の可視化である。そんな一大事は起きない。モブの人生とは平坦であったとして、それでも冠婚葬祭、成長や老化はある。そこに出会いも別れもある。大げさなことではなくても、そうした出来事が人をつくる。とは言え、些細な出来事は流され、消え…
思い出すのは、「なるほどザ・ワールド」であり「世界ウルルん滞在記」だ。リポーターが世界へ飛び出し、現地を伝える。我々は、世界の本当を知った気になった。兼高かおるが作り上げられた「世界」に満足できなくなったお茶の間が求めた「海外」だった。当…
ナウシカのオマージュである。 シュワの墓所の主が登場し、絶滅種としての人類が描かれる。 繁栄と没落を神の営みと絡め書き表したかったのは何故だろうか。東日本大震災から3年後に上梓された本書は、震災後の社会へのアンサーソングであったのだろう。当…
「教えてくれ。ジンジン!」と叫びたいオジさんは、日本に相当な数がいるのではないか。 作家の手により、いじられる対象である主人公・クワコーこと桑潟幸一の窮地。掛かる事態を見抜き、情けないクワコーの困難を救うべく、切り札をスパッと出すホームレス…