本の裏表紙裏の図書貸出履歴スタンプがWeb2.0な理由


 最近は図書館(室)での本の貸出も,バーコードでピッとやってしまえば,スムーズに貸出されるハイテク全盛なのだが,自分の前にその本の貸出がわかる履歴スタンプは,ずいぶんと多くのことを語っていたのだと思う。


 つまり,その図書館におけるその図書が,どのくらいの興味・関心を集め,図書貸出の決意と行動をさせたのかの量がわかる。スタンプは返却日付なので,履歴を見るだけでどのくらいの頻度で貸出がおこなわれたかのリストにもなっている。さらに,今回借りる自分が第何番目に位置するかもわかり「もしかすると,ファーストユーザ」の地位を得ることもわかる。


 これは,あきらかにソーシャルブックマーク状態であって,かつ時系列の秩序で生成されている。しかも,誰もが自由に本を借りるという行為を行っているだけにも関わらず,図書館(室)が図書貸出のサービスを提供するだけで,個々の図書の価値や評価のサービスを行っている構造が,本の裏表紙裏の図書貸出履歴スタンプである。


 これのユニークさは,図書が通常,背表紙だけの情報をユーザに提供しているため,その図書を引き出し,開くまでのプル&オープンの動作を行うまでは,価値情報にたどり着けないのであるが,ユーザエキスペリエンスの増大により予測のもとに,ユーザの図書選出動作の能力向上を生み出すのである。


 以上,アナログベースのWeb2.0を思いついたまで。