スキーを上手くなるには,上手い人と滑ることだ 「ウェブ時代をゆく」より


 決意した。
 まだ,詳細な決定や決断ではないので,外からの変化はそう無いかと思うが。


 買っておいたままにしておいたid:umedamochioの「ウェブ時代をゆく」を手に取る。読むタイミングだと思った。この中の節に「正しいときに正しい場所にいる」とある。

「正しいときに正しい場所にいる」。このなんとも不可思議な言葉の重要性を,私はシリコンバレーで学んだ。人生のすべてがこの言葉にあるとまで思う。生まれつきの大天才は別として,ほとんどの人は偶然や運やめぐり合いによって,人生が大きく展開していく。私たちは,無意識のうちに様々な選択をしながら日々行動しているわけだが,その選択・行動パターンによって,運や偶然をつかむ人とそうでない人がいる。その人か磨いてきた能力に加えて「正しいときに正しい場所にいる」ことが重要で,それは突き詰めて言えば,誰かの心に印象を残し,大切なときにその誰かから誘われる力なのである。


p.114 「ウェブ時代をゆく


 これを読んで,私が以前から思っている「誰とスキーに行くべきか」理論を思い出した。スキーが上手くなりたければ,上手い人と一緒に行くべき,というものだ。私が気づき勝手に命名しているのだが,これには,結構自信がある。スキーとはゲレンデを滑るだけのもので,エッジを立てること,ハの字にスキーを開いて速度を調節すること,ハの字を保ちながら重心を移動させて曲がること,この三つを守れば,安全に降りてくることができる。これでもそれなりに楽しむことはできる。

 だが,颯爽と滑り降りたいと上達を志したとき,一人で黙々と繰り返し滑ったところで上達は知れている。山に慣れる程度だ。これが下手くそ同士で山に行ったらどうだろう。お互いを「この下手クソ!」と思うか,せいぜい,楽しい時間をエンジョイするだけに終わる。

 では,上手い人と滑るとどうなるか。たいていは自分が後からついて行くこととなる。滑り方が映像として目に入るだけでなく,上手い人がゲレンデに残す軌跡をトレースすることで,そのゲレンデで出すスピードに合わせた最適解を身体で理解することとなる。当然,ターンの曲がり始め,曲がり終わりを身につけられる。逆の言い方をすれば,上手い人と滑るだけでスキーが上手くなる。

 そう「正しいときに正しい場所にいる」に照らせば,スキーを上手くなりたいときには,上手い人とゲレンデにいる,と言えよう。


 いま,私は小さいながらも決意した。正しき場所にいるために。スキーの上手い人のいるゲレンデへ行くために。



ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書)

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