そうなのよ,「猫」読んでないわけよ。


 この週末,読み終えた本は,

吉本の漱石といえば。


昨日の朝日夕刊? - finalventの日記

と思ったら。こっちはまだ読んでないや。


昨日の朝日夕刊? - finalventの日記

と,id:finalvent先生が紹介してくださった次の2冊。


夏目漱石を読む

夏目漱石を読む

漱石の巨きな旅

漱石の巨きな旅


 1冊目の「夏目漱石を読む」は,漱石ブックガイド。解説はしてるけど,種明かし趣味ではないから,すでに読んでいなくても十分楽しめる。なんたって,

『我が輩は猫である』という作品は,題名はとても良く私たちの耳になれています。でも作品の中身は,それほどおもしろいとはいえず,いろいろなことが,断片的に,盛りだくさんに投げこまれてありますから,そんなに読みやすい作品ではなく,読まれた方はたぶんすくないかとおもいます。


p.5 「夏目漱石を読む」 吉本隆明


ピンポーン!は〜い,私も「猫」読了してません。ところがさ,吉本マジックで,手に取っちゃうわけ,本棚から探してきた「猫」を。あんなにページをめくるのがめんどくさいと思っていたはずなのに,スルスルと読み進む。こういうその本そのものを語っておきながら,肝心の面白さの周辺をていねいに刺激して漱石本へ案内するのは,大した仕事だと思う。当然,多くの方がそうであるように「猫」ばかりではなくページを広げたことのない漱石作品を読み進める機会になると思う。
 もう一冊は,漱石研究としての視点の本。タイトルは「漱石の巨きな旅」とあるが,2つの大きな旅から漱石について考えるというもの。こちらは大方の作品を読み上げてから読むといい。漱石の旅と彼の人生と,そうしている間に書かれた諸作品を思って読むといいと思うのだ。
 で,「猫」からやりなおしますよ,私は。読み始めるとちょっと面白いし。