日本で一番楽しい職場ということ


 数日前,昨年読んだ「日経ビジネスオンライン」の記事をふと思い出した。歯医者の記事だった。「日本で一番楽しい歯科医」を紹介した記事だ。
 成功を急ぎ,何かに憑かれたように働き続けた院長が思い直して経営をあらためる。

 寄田院長は悩み、考え、そこからヨリタの姿を根本から変えていった。治療の数をこなす経営から、予防中心の「持続可能な経営」へ。スタッフを隷従させるのではなく、自主的に楽しく働ける職場に。「歯科医院の成功」よりも、楽しく働けるということを優先するという生き方を選択したのだ。


日本で一番楽しい歯科医:日経ビジネスオンライン


 なるほど,これを役場・役所に置き換えてみよう。


 自治体政府組織の経営を,予算削減規模・事業削減数・職員削減数を継続する経営から,地域の課題に耳を傾ける傾聴中心の「持続可能な地域経営」へ。職員を隷従させるのではなく、自主的に楽しく働ける職場に。「役場の成功」よりも、楽しく働けるということを優先するという生き方を選択したのだ。


となる。続きも見てみよう。

 寄田院長は言う。

 「僕の経営は、極端に言えば、患者よりもスタッフの満足度です。スタッフが楽しく働いている職場は、誰もが力を発揮できる。それがひいては患者のためになるのですから」


日本で一番楽しい歯科医:日経ビジネスオンライン


 「住民よりも役場・役所スタッフの満足度です。役場・役所スタッフが楽しく働いている職場は、誰もが力を発揮できる。それがひいては住民のためになるのですから」と,なろうか。
 反論は多いことだろう。世論の支持を得るのに,手っ取り早い手段としての公務員叩きにあがらってるし,この逆の就職としての公務員人気を増長させるようにも,とられかねない。いずれも私はくみしない。

 そして取材を終えた結論。ここはどうやら楽しい。患者にとっても、ここで働く人にとっても。


日本で一番楽しい歯科医:日経ビジネスオンライン


私が言いたいのは,この部分だ。結果的に「患者」に,営利企業であれば顧客にとっての満足を得るには,急がば回れ!ということだろう,だ。ドラッカーも,そう言ってるじゃないか,マネジメントだろ?