もはや,報酬は石高で支払うべき → 世界の肥満人口がついに飢餓人口を上回る


 これも世界経済システムの不全なのだろう。

 世界保健機関(WHO)によると、世界の肥満成人数は2002年の14億5000万人から2010年には25%増加して、19億3400万人に跳ね上がった。つまり、全人類の3〜4人に1人は肥満ということになる。ついに世界の飢餓人口の約10億人を抜いてしまった。


「脂肪税」で肥満退治:政策・法規制:ECO JAPAN −成長と共生の未来へ−


 もはや,第3次産業が就業人口のほとんどを占め,労働にカロリーを消費しなくなたったこと,また,経済発展が世界各地の「途上国」で続いて所得水準が上がり,食料を手にすることが容易くなったこと,そして何より農政産物が広く流通するようになったことが肥満の主な要因だろう。
 「食うために働く」とは,よく使われるセリフだが,釈然としない。何のために食うのだ?生きるため。生命の持続だろう。何のために呼吸するのだ?に等しい。だが,いま起こっているのは,生きるために食っているはずが,食っていると太って死んでいる,ということだ。
 つまり,太って死ねてしまうほど,食える。すなわち,そこまでのカロリー摂取可能な「カロリー報酬体系」に,われわれの経済システムがなっているということだ。この事態に対し,太って死んでしまわないようなカロリー分しか買えない程度の報酬が適当ではないか。そんな低所得化をアホか,と言われてしまうが,

太閤検地以後江戸時代を通じて、田畑や屋敷などの土地の価値に至るまで、面積に石盛という一定の計数をかけて米の生産力に換算して石単位で表示するようになった。このような制度を石高制と言い、米以外の農作物や海産物の生産量も、米の生産量に換算されて表された。(略)
一石は大人一人が一年に食べる米の量に相当することから、これを兵士たちに与える報酬とみなせば、石高×年貢率と同じだけの兵士を養えることになる。


石高 - Wikipedia


われわれの先祖の報酬単位は,「大人一人が一年に食べる米の量」だった。
 「脂肪税」なんてトンデモ話しのネタだろう,と思っていたが事態は深刻だ。だが,税を課したって量を買えてしまえば,元の木阿弥だ。食欲など,空腹に支配されてしまうととどめようが無くなる。そんな無限の欲求に対峙できずに肥満社会があるのだから,入りを制すためのカロリー報酬体系に,もはやするしかないじゃん,と思った次第。