骨髄提供した市長がいたことを今ごろ知った件


 骨髄バンクニュースが手元に届いていたまま,放っていた。あらためて,手に取ってみると,そのインタビュー記事に驚いた。

 骨髄バンクについては,CM等で見聞きしていましたが,内容も登録方法も,よく知りませんでした。2009年4月,地元の「益田まつり」で,私もメンバーの青年会議所献血を呼びかけていたので,献血をしたところ,隣で骨髄バンクのドナー登録も受付していました。以前から必要性を感じていたので,迷わず登録しました。
 登録から1年以上が経過し,忘れかけていたある日,骨髄移植推進財団からオレンジ色の封筒が届きました。よく見ると「親展」,「至急」の文字。「ついに来たな」。「召集令状」という感じでした。迷いが全くなかったかと言えば嘘になりますが,やるしかないとその場で意思を固めました。そもそも「人生をかけて,益田と日本のために尽くす」と決意した人間です。「これぐらいできなくてどうする?」と自分に問いかけ,確認しました。それが自分の使命だと思うからです。


日本骨髄バンクニュース vol.39 INTERVIEW 島根県益田市 福原慎太郎市長


福原市長は,現役で骨髄提供した市長となった。そんな市長がいたのか。当たり前のことだし,当然と言えば当然のことだが,実際にいたのだ。驚いた。
 骨髄提供した福原市長は,その経験をもとにこう言う。

 骨髄バンクの設立に当たり,ご尽力をされた皆様,そして,現在の骨髄バンクを築いてこられたすべての皆様に,心から敬意と感謝を申し上げます。しかしながら,骨髄提供を待っておられる方がたくさんいらっしゃいます。あらゆる方法を使い,ドナー登録者を増やす必要があると思います。私が市長という立場でコツ慈雨を提供できたのは,何かのご縁ですので,自分にできる最大限の努力をし,PRもしていきたいと思います。また,ドナー給付制度についても,加茂市浜田市を参考にしながら,次年度から取組みを開始する考えです。骨髄バンクの先進都市と言われるまちを目指していきたいと思っています。


日本骨髄バンクニュース vol.39 INTERVIEW 島根県益田市 福原慎太郎市長


若い市長の貴重な経験が,何か大きな果実を産むような気がしてならないのは私だけだろうか。当たり前の素直さとけなげさが,ちゃんと評価される社会となるんじゃないかな,と。