あなたの会社の製品やサービスに感動し,事業を継承してゆくのは外国人留学生かもしれない

採用即戦力になるグローバル人材の層が日本は薄いという現実だ。
 ヤマト運輸の人事総務部長,大谷友樹(46)は毎年秋,海外の大学に出向き外国人との採用面接にのぞむ。宅急便を国外に広げる幹部候補生を探すためだ。2011年入社の韓国人,金ソルジ(25)もその一人。日本に短期留学したとき,配達日を指定できるヤマトのサービス品質に感動し同社を志した。3カ国語を操る。
 すでに新入社員の2割弱が外国人。日本人社員にもいい刺激になっている。国籍も価値観も違う社員が入り乱れるのが21世紀の職場風景。


平均像は「草食」 競う世界へ少ない主役  :日本経済新聞 2012/1/11


 どこの企業も人材に悩んでいる。仕事に対して人手のほうが多かったり,仕事に対して必要なスキルが乏しかったり。
 当たり前のことなのだが,すぐにピンと来ない事実として,少子化というのは,若年者の総量が単純に減るのではなく,デキル奴の絶対数が,全体の人数が減る割合よりも大きく減っていくということだ。だって,そうだろう。能力の分布が正規分布しているとして,山の高さが減れば,山裾の長さはぐんぐんと減っていく。とびきりデキル奴や,かなりデキル奴がいなくなっていくわけだから。
 では,見方,考え方を変えてみよう。いま,同じ就職難でも,デキルのに就職が見つからないと嘆いている人たち,外国人留学生が巷に大勢いる。彼ら,彼女らを採用するのに躊躇する必要があるだろうか。
 日本が好きで,流暢な日本語を操る彼ら,彼女らは,実は,あなたの会社の製品やサービスのファンであり,その販路を国内外に広げてくれる優秀な人材なのかもしれない。地方の企業には難しい?そうだろうか。地方の大学にこそ,優秀な学生として外国人留学生が勉学に勤しんでいる。その大学のある地域の企業に就職したいと思っている子たちも多い。
 先日,たまたま話す機会のあった私の地元の大学に通う外国人留学生の顔がうかぶ。地域のパイを広げてくれるのは,きっと,あの子たちだろうと私も思う。