指導運転士さんが言う「『人生には思うとおりにならないことがある』ということを教えているんです」


 昨日,観光鉄道の「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」の気動車運転体験に「つきあう」ため,陸別町に出かけてきた。



 おそらく,私にとって初めての陸別町。たまたま,ご縁が無かったと言えば,それまでだが,旭川から帯広に向かうルート,旭川から北見,網走,釧路,いずれのルートでも陸別経由を,あえて選択することは少ないんじゃなかろうか。位置としては,そんな場所。
 着いたのは,この道の駅。いや,まあ,今はそうなんだろうが,元の鉄道駅。



Web予約のため,予定の時間になると待ち構えていた気動車(って,言葉は一般の人は使わないよね)に,指導運転士さんから案内されて乗り込む。



指導運転士さんは,やさしいおじいさん。私は乗車体験なので,そのおじいさんの指導の様子を斜め後ろから見る係だ。



見ていて体験する側にとっては当たり前かもしれないが,同乗者にとって意外だったのは,結構,運転を任せてしまうことだ。手順どおりにやらないと気動車は動かない。と言うことは,一度,動き出したこの車両は,手順どおりにやらないと停まらないのだ。もちろん,体験者は間違える。タイミングもずれる。旗や標識も見逃す。結果,オーバーランもする。最終の停車位置調整が上手くできなくて,2m,そして,1.5mを何度も前身と後退を繰り返して,位置合わせをした。
 指導運転士さんは,言う「大丈夫ですよ。小学校の4年生の女の子もできましたからね」。体験者が難しかったと伝えると「何でもそうだと思いますけど,上手くいかなくて当たり前です。小学生や中学生に『人生には思うとおりにならないことがある』ということを教えているんです」と,おっしゃっていた。
 少し誇らしげに,でも,やさしく語っていた。彼に当たり前にできることを「教える」作業を,ひたすら忍耐強く日々,行える胆力,人間力に感嘆してしまう。人間として成長することの目標とは,こうした指導ができることなのだろう。運転体験の同乗から,そんなことを思い返している。
 ご興味を持たれた方は,以下のリンクからどうぞ。ちなみに,ボランティアも募集している。


陸別町商工会 - ふるさと銀河線りくべつ鉄道 - ::日本一しばれる町 陸別町


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