公務員をエリート視する昨今の誤解を解いておこう


 朝日新聞の記事に目がとまった。

「女性の職場は少なく,パートは働くきっかけとなりました。大卒で公務員になった兄よりお給料が多くて驚いた」


2012年12月1日 朝日新聞「昭和史再訪問」 29年(1954年)10月 パートタイマーの誕生


パートから後に正社員に登用され,60歳の定年まで勤めた方の言葉だ。

 「お嬢様の 奥様の 三時間の百貨店勤め」
 こんなコピーとともに1954年(29年)9月,大丸東京店の「パートタイマーの女子店員募集」告知が首都圏の新聞に載った。「パートタイム」という言葉を日本で初めて使ったといわれる広告だ。


2012年12月1日 朝日新聞「昭和史再訪問」 29年(1954年)10月 パートタイマーの誕生


 給料は,1日160円。健康保険,失業保険もあったという。
 パートであっても正規雇用であったということだ。

 私が,確認しておきたいのは,そこじゃない。パートタイムであっても,公務員なんかより,ずっと高い給料をもらえたということだし,人手不足であれば,それも当然だと言うことだ。
 「公務員」の給料が高くて当然なんていうのは,誤解にもとづく風潮は誤りだ(もちろん,その逆もだが)。
 いつの時代だって,新たな雇用を生み出し,真っ当な対価を当然に得られる社会じゃなきゃならない。
 その上で,新たな付加価値を生み出す産業の担い手には,公務員なんかより高い報酬が支払われるべきだ。なぜなら,新たな産業従事者は「同一価値労働同一賃金」の原則のとおり,公務員とは違い,新たな価値を生んでいるのだから。