今晩,春風亭小朝師の独演会。
たまにある12月のみぞれ,じゃなくて雨が降る中での開場。すでに積もっている雪が融けてザクザクになる足下の中,7〜800人の入りかと思う。
幕開けは,春風亭ぴっかりさん。NHK新人演芸大賞を見て記憶にあったとおりの噺家さん。彼女のエネルギーのやり場に聞き手が困る,と言えば伝わるだろうか。末はどうなるんだろうね。ネタは「牛ほめ」でしたよ。
終わったぁ…の余韻が残るなかで,小朝師登場。早かった。いや,もちろん,話しじゃないよ。小朝ワールドに引き入れる間がね,ギュッとほんと音が出るくらいに。ネタは「死神」。現代のクスグリの量が多くて,そうした頭の回転のよさが嫌われるところでもあるのかね。人物の描き分けも素晴らしいし,力量は十分に感じましたよ。
ここで,幕間。ふー,とため息が出る。やはりね。噺家さんと向き合った後は,ちょっと疲れる。
あっと言う間に第2幕。まず最初は,瀧川鯉斗さん。イケメン噺家というジャンルかね。ネタは「動物園」。何といおうか,アナウンサーが習った落語を喋る風な芸。南京玉簾を照れくさそうにやっていた。罰ゲームだったんだろうか。まあ,いいやね。
さて,締めに小朝師再登場。ネタは「扇の的」。まあ,小朝落語の真骨頂。客あしらいは,綾小路きみのまろか,時事ネタの導入の具合は,柳家喬太郎を思わせる。
上手い噺家を聞きましたよ。今晩は,そんな夜。