組織が動かないと嘆くより,原理原則と人が組織を動かすことに気づけ!


 対照的な記事を読んだので,メモ代わりに。

 衆院選を機に考えてほしいことがある。政府の「審議会」のことだ。各省庁には、公式・非公式に数多くの審議会や研究会、検討会などが設置されている。筆者の経験からも言えることだが、これらの多くは、官僚による責任転嫁の手段として使われている。
(略)
 「脱官僚」を唱える衆院選の候補者にぜひ聞いてみたい。「審議会を改革する気はあるのか」「どのように改革するのか」
 そして新議員にお願いしたいのは、透明性が高く、中立性のある委員が賛否を示したうえで、報告書づくりに深く関わる新たな仕組みを導入することだ。審議会をなくす案もあるが、その場合は、国民参加の別のプロセスの検討が必要になろう。(猿)


朝日新聞デジタル:〈経済気象台〉官僚が支配する審議会


役人の書いたシナリオがあって,その振り付けに従ってアリバイづくりをしてるのよ,とこの朝日新聞記事はいう。
 ひるがって,

 「構造改革のため…最も重要な会議と言っても過言ではない」。森政権で休眠していた経済財政諮問会議をフル活用した小泉の嗅覚は鋭い。設置コストもなくノーマークだったため、様々な不意を突いた。

 第1に、経済財政担当相の竹中平蔵による民間議員ペーパーだ。官僚機構に過度に依存せず、個人的な信頼と政策立案能力あるブレーンが原案を作成することで、基本方針を骨抜きにさせない。数値目標や工程表も記載することで、官僚機構のサボタージュも防ぐ。

 第2に、吉田茂(「麻生太郎の流儀と吉田ワンマンの『官邸主導』」を参照)や、佐藤栄作(「『ニコ生』な小沢一郎と最長政権の佐藤栄作」も試みた官邸チームの形成だ。最終的な政策立案能力は、官僚機構に集積されている。竹中や首席秘書官飯島勲は、各省庁から優秀で信頼ある官僚を引き抜いた。システムは、「制度」を熟知した「人」を結集して初めて機能する。

 何より重要だった第3が、その役割と限界を見極めたことだ。企画院と経済安定本部が過去に失敗したのは、「組織体」だったからだ。前者は関東軍が中国政府を傀儡化した満州国総務庁、後者はGHQが日本政府を傀儡化したアメリカ大統領府をモデルとする。議会・政党を忌避する「組織体」は、戦後新憲法の議院内閣制と相容れにくい。


「近いうちに」野田佳彦は小泉郵政解散の本質を見極められるのか:日経ビジネスオンライン


この日経ビジネスオンラインの記事は,「個人的な信頼と政策立案能力あるブレーン」による原案と「数値目標や工程表」,「竹中や首席秘書官飯島勲は、各省庁から優秀で信頼ある官僚を引き抜い」て得た「人」がポイントだとと言っている。
 審議会が動かないだの隠れ蓑だというのは,まあ,そんなのものかも知れないが,そんな組織が動かないなどと言って嘆いているのは,つくづく小さい。だって,国のシステムですら,動かした実績があるのだ,そこにちゃんと着目しよう。