天下人を変えた大地震:天正地震


 あの磯田道史先生が,朝日新聞土曜日のおまけの新聞「be」で,震災史をテーマに連載をしている。
 その最新号が,とても興味深い。

 織田信長本能寺の変(1582年)で殺されてからの4年間は、次の天下人を模索する過程だ。

 天正地震は近世日本の政治構造を決めた潮目の大地震である。この地震が起きなければ、徳川家康は2カ月後に豊臣秀吉の大軍の総攻撃をうけるはずであった。兵力は秀吉のほうが圧倒的に優勢。家康は長久手の戦い(1584年)で、秀吉軍に一勝したものの、再び、秀吉が大軍で攻めてくれば、そう何度も「芸術的神業の勝利」を重ねるのは難しい情勢にあった。


(磯田道史の備える歴史学)家康の生き残り作戦:朝日新聞デジタル


 磯田先生は,家康は「滅亡」の可能性さえ視野にあった,と言う。そう,追い込まれつつあった。えっ?徳川幕府は,いやいや五大老もなければ,関ヶ原も無い。天下人は,豊臣家で決着(!)すらあった,ということか。
 磯田先生の原稿が気になるが,こう終わる。

 次回,天正地震によって、この戦いが回避されていった様子をみたい。


(磯田道史の備える歴史学)家康の生き残り作戦:朝日新聞デジタル


次の土曜日が待ち遠しい,のである。


参考:天正地震 - Wikipedia