指原莉乃著「逆転力」を読んだ。これはビジネス書!ただし,新人・若輩者は心せよ。(その1)

 思わず,感嘆の声を漏らしながら読んだ。スゴい本だよ。これほどの社会で働く意識を持って日々,活躍しているんだ,と。

 MCについて,もう一つだけアドバイスできることがあるなと気づきました。焦らないで,自分が思っていることや伝えたいことを,ゆっくりしゃべる−−と,考えながらしゃべること。


p.46 「逆転力」 指原莉乃


進行役として喋る場面,グループの中で意見を求められる場面,上司に報告する場面。「ゆっくり喋る」,「考えながら喋る」の2つ。私も若い頃,指摘された。思っていることを喋りたいもんだから,慌ててフルスピードで舌を動かす。当然,頭に浮かんだまま,喋るもんだから,語尾がきれいにならない。そんなこともあったよな,と思うわけだけど,この22,3の子がすでに「わかっている」。なぜ,喋るのか?それは伝えたいから。じゃあ,伝わるように,「ゆっくり」,「考えながら」喋る。喋ることそのものは,手段だから。できてる?

 48グループには,たくさんのメンバーがいます。ただでさえ競争率が高い。なのに,後輩達を見ていると,正統派のアイドル路線にこだわりすぎて,個性がうまく出せていない子たちが多いなと思います。同じ土俵で,同じルールで同じ武器で戦ったら,負けるのは目に見えているじゃないですか。
 だったら,土俵を変える。相手の土俵では戦わない!
 アドバイスしてもいいですか?
「気にしすぎるな。そこじゃない」
「そこ」にいたら負けちゃうんだから,他の道を探すしかない。
 自分なりの武器をひとつ見つけて,鍛え上げて,その武器で戦う。それしかないんです。


p.51 「逆転力」 指原莉乃


 ある種,捨てている。夢見た土俵で戦いたいはず。そこで戦おうとしたはずなのに,「そこじゃない」と言われる。そもそもの,夢見て歩んだ道のりは何だったの?となる。何が夢だったの?となるわけだ。でも,勝負になる場所へ移れ!と。

 キャラの話って結局,プライドの話なのかもしれません。「私はそんなキャラじゃないから」って言い方,めっちゃプライドが高いですもんね。
 私ももっとかわいかったら,プライドが高かったのかもしれません。もし美人だったら,「きれいなだけでいいや」って思っちゃっていたかもしれない。でも,キャラがなくてただのおとなしい美人って,あんまり意味がないですよね。
 プライドが低いほうが,絶対得だと思うんです。
 例えば,胸が小さいことは,私にとってコンプレックスのひとつです。人から「かわいそう」と思われているかもしれない。でも,直しようがない。
 だったら自分からネタにして,「おもしろい」の方向に持っていっちゃったほうがいいじゃないですか。隠すよりも,恥ずかしがらずに言っちゃったほうがいいんじゃないかかな,と。
 自分のコンプレックスなところを「恥ずかしい」と思っているから,グサッときて傷ついちゃうんだと思うんです。だったら,「恥ずかしい」という気持ちを捨てる。
(略)
 さっきおとなしい美人には意味がないって言いましたけど,親しみやすさのないブスって,最悪だと思う。
 私が周りのみんなに「ブスって言わないでください!」と言ったとしたら,「う,うん。別にいいけど,他に言うことないよ」と腫れ物扱いされかねないじゃないですか。でも,「ブスでOKです!」と言っておけば,イジってもらえるかもしれない。
 イジってもらえば,リアクションというかたちで私も前に出て行ける。周りにイジってもらうことで,自分のキャラが立つ。そうやって世の中に出てきたのが,指原という女です。
 私はもともとプライドがないタイプだから大丈夫だったけど,イジられるのがイヤだという人は多いのかもしれないですね。つらいって思うかもしれない。そういう時は,自分のためだと思って我慢するしかない。
 自分ひとりの力でなんとかできるなら,人にイジられるのを我慢しなくていいと思うけど,自分の力でなんとかできないと思ったら,頼れるものは頼ったほうがいい。だって自分がおもしろくなくても,周りが自分のことをおもしろくしてくれるんですよ?


p.62〜64 「逆転力」 指原莉乃


 勝負できる場所へどう移る?「自分からネタにして,「おもしろい」の方向に持っていっちゃったほうがいい」。そのためにプライドを下げる。見いだしてもらった『自分』を武器に戦う。そもそも,自分なんて,周りとの関係性の中において発露するもの,なんて割り切りが彼女にはある。

 まったく,どうだろうよ。世間でサバイブするための身の処し方を,この若い彼女が語る。

 気負わずに,冷静に,耳を傾けられるだろうか?ここまで実践し結果を出している彼女が眩しすぎやしないか。社会に出たての若い読者には,毒気が強い一冊と思う。


 明日,また,続きを書きます。