読書感想文「儲かる会社のコミュニケーションの鉄則」小山 昇 (著)

 「経営者本」である。
 だとすると,新たに経営層,経営メンバーに着いた方に響くか。彼らのハートに届くかが出版のカギではある。だが,実は難しいのではないか。リーダーになった,組織を率いる立場になった,マネージメントする地位についた,そんな方々は多くても,実際に,そのポジションで悩み,失敗を経たと痛感した方で無いと開いたページに並ぶ言葉が,滲みるだろうか。
 小山社長の実践は血肉,温度がある。大事にしなくてはならないことが失敗談ととも書かれている。組織をマネージメントするとは,生き生きとしたチームを作ることだ。働くのは人である。時代とともに事業や環境は変わっても,人間の本質・性向は変わらない。だとするならば,当たり前のコミュニケーションを,どう始め,どう持続する関係を築くか,となる。
 振り返ったとき,魔法や奇跡のように感じるターニング・ポイントはあるかも知れない。しかし,コミュニケーションにミラクルは無い。ベタに愚直に謙虚に明るく,それが経営者の態度である。