読書感想文「世界最高のチーム グーグル流「最少の人数」で「最大の成果」を生み出す方法」ピョートル・フェリクス・グジバチ (著)

 組織開発,チームビルディング,マネジメントの分野においてベストの1冊である。
 大袈裟なタイトルである。しかも「グーグル流」の文字が並ぶ。自分には参考にならないのでは無いか,世界の最高峰の知性が集まる大企業の事例を知ったところで役に立つのか,と尻込みするように感じてしまう人も多いのでは無いか。もったいない。そんな思い込みは捨ててページを開くべきだ。
 「心理的安全性」,「ワン・オン・ワン」,「良質な会話」,「チーム時間」など,いくつかポイントとなるキーワードが出てくるが,これらには,グーグル社内で,1万人規模でマネジャーの役割や仕事に関する調査の結果に裏打ちされている。
 本書の中で何度も否定される「グーグルだからできる」という言い訳。組織を明るく,開放的に,生き生きとしようと思えば,愚痴や否定に時間を使っている暇はあるまい。仏頂面をやめ,メンバーに耳を傾けるのだ。コーチとは何か。プレイヤーを,チームをどうしていきたいのか,真剣に考えアクションするのだ。