読書感想文「結 妹背山婦女庭訓 波模様」大島 真寿美 (著)

 なんか悲しいなぁ。
 才能は持って生まれてきてしまう。そやけど、その才能に沿って,その者の「業」が乗ったときに始めて,その才能ある者の道がスタートする。なので、そこに「才能はある」んけやど,しかし…,となると悲しい。才能の行き先が無い。才能が漂ってしまう。
 本人には、才能があることの自覚はあっても、才能ある者としての道を歩まんと…。お前のことやぞ、加作!
 言ってしまえば、女の人生、女子の壁や。心のうちは明かさん。でもなぁ,周りには漏れ伝わる。まして,才能の塊や。でも,生かしてやれんのや。あー,焦れったい。何してんのや。周りのオッさんどもは。ぼんやりしてたらアカンのや。
 次の時代に何を残すのか?て言うやろ?あんなんウソや。目の前の眩い光を、いま、モノにしたろ,カタチにしたろ,思わなんだら残らへんのや。だからこそ,その光に周りのモンは賭けないかんのや。今やで。
 オッさんやさかいな。悲しいの嫌ややから,自分への戒め込めて書いとくわ。