読書感想文「メタ認知-あなたの頭はもっとよくなる」三宮 真智子 (著)

 参ったなぁ。「頭がいい」とは,いま,ここまで客観的に定義づけられているのか。
 「頭がいい」とは,頭の使い方を意識的,無意識的にせよ,わかってやっているということだ。それには,動機付けや感情といった非認知的な要素も深く関わっているので,ますます,頭の中をモニタリングし自分自身を客観視すること,そして,状況の理解と自分自身への問いかけを課すといった頭の使い方ができること,このことが頭の良さの本質だというのだ。
 子どもを褒めるときの利発さや学業成績,仕事の効率の良さといった旧来から言われるものやコミュニケーション能力や地頭などと呼ばれるものも含めて,ほぼほぼ正体不明なのだが,実は,「学ぶ力」「適応的に生きるための学んだことを生かす力」があることが「頭がいい」ということなのだ。
 だからこそ,自分を卑下せず自分自身に期待し,周りについての理解をポジティブにしたりしながら,丸暗記ではなく,「理解・納得こそ最高の記憶術」という著者のメッセージを強く焼き付けたい。