読書感想文「オカルト化する日本の教育」原田 実 (著)

 あなたの「何か気持ちわりーなー」は大体あってる。その種明かし本である。
 真顔でもっともらしいことを言っていたらウケちゃったのである。いや,そんなに真剣に受け取られても,と思ったに違いない。だが,先生とよばれ,権威になっていくと引っ込みがつかなくなる。エンタメが本当になってしまったのだ。まして,教育現場に浸透していくなんて思わなかった。アカデミズムとは別に,せいぜい,企業研修などでウケりゃ満足だったのが,なんと教科書にまで採用されてしまった。それが「江戸しぐさ」だ。やれやれ。商売でやってんだから,そんなに裏取りすんなよーが本音だったのだ。
 親学はもっと深刻だ。親になる資格,親になるための学びが発端だが,じゃあ,すでに親になった人とは,言わば,ライセンスを得た者であり,学んだ人であることになる。なので,敬ってくれよ,親なんだから。慕ってくれよ,親なんだから。である。個人として,その人の魅力や力量ゆえではない。親というだけの権威が実体化して独り歩きしている。謙虚さのない放漫さ増長さである。
 事実とは,実証とは,科学とはを考えることだ。学校と教育現場にインチキやデタラメを蔓延らせてはいけない。