読書感想文「新時代LX―持続可能な地域の未来を切り拓く」受田浩之 (著)

 何じゃコリャ。ドリーム・ストーリーじゃん。
 まったく,不勉強にて失礼しました。知らなかったです。高知の成功物語。実は,高知が伸びている。バケたのだ。しかも偶然じゃない。戦略的に伸ばしたのだ。いやー,スゴい。
 何がって,ボトムアップの県民運動をトップの交代とともにスタートし,結果,成し遂げたって,そんな魔法の話しを信じられるだろうか。冷静な分析力に裏付けられた戦略と目標を,熱いハートで県民に輪を広げたのだ。
 まず,作ったのは「高知県産業振興計画」。地味でしょ?どこにでもありそうでしょ?お役所が「その計画を作る」ことだけを目的に,県民の参加はアリバイ作りのために振り回されるだけの魂の入ってない計画って日本中にあるでしょ?違うんだなー。野心的な目標はクリアされ,さらに上方修正されて実行中なのだ。もう信じられなさ過ぎて,気持ち悪いよね。補強型・普及型の企業誘致や人材育成など,産業振興の面からこぼれ落ちちゃうような項目もガシガシやっている。いやはや,たじろぐよ。
 スーパーマンなトップばかりじゃないのは当たり前だが,課題の設定と地道な努力の必要さはわかるわけだ,これを読めばね。高知でできていることが,なぜ当地ではできないの?ねぇ,何で?ほらね,逃げ道は断たれたのだ。