オカケンとは、世の中、「勝つ」ことが全てではない、いや、ときに「負ける」ことにさえ意味がある、とわかっている大人である。オカケンは偉い。
「言うべきことを言わないでどうする!」とイキったり煽ったりしていた時代をオカケンとともに反省するのだ。「聞いてもらうための言い方や態度ってもんがあるだろ」である。世渡り上手、処世術かよ、と言われるかも知れないが、今日で全てが終わるわけじゃないのだ。残念ながら明日も3年後も10年後も今日の延長なのだ。
言いたいことを「立て板に水」でパパパーン!と言い放って、スッキリしてカタルシスを得たところで、問題がそのままではかえって状況が悪くなったいたりする。「ぎゃふん」と相手に言わせたところで何になるのだ。ぎゃふん。
類書を見ないという点では奇書とも言えるし、オカケンの経験と屈辱と失敗を糧に体得した政治学の知見をフル動員した強烈なコミュニケーション実用本でもある。この本は、これまでのコミュニケーションのハウツー本やライフハック本の相当数を薙ぎ倒す。小手先のテクニックではなく、「言う」からには、言うだけの目的やねらいがあるだろ、ということだ。
「政治」そのものへのイメージも変わるのではないか。当然、政治学のイメージも変わる。実学だ。高尚な理屈を机上でこねくり回す学問ではない。日々の生活に役立つ学問だ。
経営者、リーダー、マネージャーはもちろん、立場が違う人と話しをする人は、必読だ。共同体や組織における「社会」生活において、デッドロックに乗り上げちゃう人は自身を俯瞰するのに役立つだろう。もちろん、自給自足の隠遁者には不要だろう。
世の中をほどいて見せたオカケンには、酒を一杯奢りたい。
