組織っちゅうもんの渡り方や。
しょせん、組織の中の一人なんてコマや。スケープゴートが必要になれば、あいつでええやろ、となる。まして、敵として認定された結論に至ってしまえば、再起不能か蜂の巣だ。怖いものだ。そんな中で自分をどう守るか。「いざとなったらコイツのタマ取ったろ」と意識しておくことだ、と言えそうだ。それは、たとえ直属の上役であってもだ。組織において権勢を振るっているように見える者でも、その権勢の根拠となるのは実体を持った何かじゃない。当然、重さや大きさで表される比べられるものではない。法律や決定プロセスの正当性らしさで「そうなってる」だけであって、事と次第によっては地位を失う。つまり、その組織内での立場は、せいぜい、評判や気分で推されるかどうかや、となる。それは、法人組織のオーナーであったとしてもだ。
組織における振る舞いで大事なのは、ご縁と言葉と態度だ。これらをちゃんと使えるものが立場を得る。立場を得たあと、その立場を維持するためのケアも、し続けなくちゃならない。こうした毛繕いも大事だ。
権力構造には、求心力と遠心力が働く。誰もが中央へ中心へと近づいて行こうとしてるように見えるかもしれないが、案外、そうではない。おかしな渦に近づいてはいけない。大きく見せようとする者と渡り合うだけの胆力は必要だが、大きな山同士が重なる連峰の一つに、自身も連なって喜ぶほかに、単独峰として自由と独立を守る生き方もある。勝負することが全てではない。勝ちもしないかもしれないが、負けないために距離を置くやり方もある、ということだ。破滅するくらいなら遠心力が働く場所にいる方がいい。
組織で生きることを冷静に客観視させてくれる一冊だ。
