ウチダカズヒロのブログ

最近は読書感想文を書いてます。オススメ本を教えてください。読書感想文のご依頼あれば、読みます(たぶん)。kazgeo@gmail.com まで。

読書感想文「翻訳者の全技術」山形 浩生 (著)

 ヤマガタ版「考える技術・書く技術」、ヤマガタ版「知的生産の技術」だ。
 どう読むか。どう訪ね回るか。どう尋ね歩くか。そして、どう面白がるか。
 ヤマガタとはオタクである。ここでいうオタクとは、頼まれもしないのに、物を書いたり、物を集めたり、出掛けて行ったり、写真を撮ったりする人のことだ。ヤマガタは、つい翻訳をしてしまう。やらずにはいられずやってしまう。面白さや興味が先立ち、やってしまった結果については後から考える。だから、どう書くかではない。つい書いちゃうのだ。
 あらたまって学びのインプットとアウトプットを意識するとき、ハナっから順番に、砂場の砂を端から一つずつ数えるように覚えていこうなんては土台無理な話だ。ヤマガタは言う。本は、始まりと結びを読んで、概意を掴んじまえ、と。そう、砂場なら砂場の面積、砂場の一掬いの砂の量さえわかれば、全部の砂の量がわかる。著者の言いたいことを掴んじまって、精度を上げてもいいし、さらに近いジャンルの本に手を出してもいい。ありがたいお経のように順を追って間違えなく唱えることが目的じゃない。アウトプットに役に立つとは、そういうことだ。仕事を当たり前にできるようになることも、同じことだ。
 知的サービス業としてのコンサルタントが与える人的支援とは何か。現場主義のヤマガタの現場での振る舞い、作文の仕方など影響を受ける者も多いはずだし、こんな本を待っていたと喜ぶ人も多いと思う。