ウチダカズヒロのブログ

最近は読書感想文を書いてます。オススメ本を教えてください。読書感想文のご依頼あれば、読みます(たぶん)。kazgeo@gmail.com まで。

読書感想文「高宮麻綾の引継書」城戸川 りょう (著)

 問題児の成長譚だ。
 若者が活躍するカイシャ小説か、となると少し違う。職場小説だ。なので、ビジネス・オリエンテッドかとなると、職場風土や空気がテーマだったりする。なので、イリーガルやインモラルな場面が出てくるし、主人公も派手にやらかす。トラブルも大々的にやっちまえば、本人の問題ではなく職場を超えた案件になり、お咎めどころかそのワンペナが重用のきっかけになるのだから面白い。
 ガッツと能力を備えた若手が燻ったり、いじけたり、拗ねたり、跳ね返ったりさせずに、活躍させるにはどうしたらいいのだろう。やはり、職長がウンウンと話しを聞くことではないか。そして、こいつが自分の枠に収まらないと思った時は、積極的に、内外のいろんな場面で顔を売らせてやる機会を早めに作ってやることではないか。案外と若者の視野は狭いものだ。
 習熟すれば、仕事スキルを身につけ、成績は上げるだろう。問題はそこからだ。クリエイティブにビジネス構築を進める方向に行くもの、リーガルやアカウンティングなどの審査に能力を発揮するもの、チーム・ビルディングやチーム・デベロッピング、コーチングやケアに有能さを発揮するものなど、さまざまな岐路に立つことになる。人生、どう一人前に成していくかである。
 オジさんにとっては、痛々しいイキった若者を見守る小説であるし、そのことを踏まえ、年嵩の者として自分に我慢を課してページを捲るべきだろう。