指揮官に就き、人を動かす立場になった方が、あらためて頭の整理のために読む一冊ではないか。髙木は、マネジメントの仕事は特別なものじゃないという。それは采配すなわち、情報を、感情を、思いを、疑問を「配る」ことだという。そして、ネタや気分を拾い集める。それがマネージャーだ、と。
マネージャーは、経営者や役員から見られている。しかも、それだけじゃない。人事担当からも見られている。しかも小役人チックに。「人事部があなたや他の社員に望んでいるのは、「手間のかからない人材」になってほしい、ということなんです」。そうなのだ。メンドー起こすなよ、である。ネガティブなネタを抱えたヤツは、どれだけ成果をあげ、優秀な成績を残したところで、トータルでプラスの高評価を与えるわけにはいかないのだ。減点主義の所以だ。大人しく波風立てんなよ、である。組織の状況と課題を認識して、チームづくりに励み、上手いことやってくれ。大成功じゃなくても、中成功、小成功でいいんで、となる。ヤレヤレと思う方も多いだろう。だが、それも組織だ。
しかし、社会経済情勢は変化する。顧客や市場の満足を継続して得られなくなってしまえば、自社や自身を変革し、適合・順応することが求められる。そんな大事な場面で力を発揮できるよう力を溜め、然るべき場面でマネージャーとして存分に動こう。普段の「配り」を生かすときのために。
