社会における「運動」を分析して考察することについての本であり、その理屈だ。
社会運動を仕掛け、世の中や世間に賛同や同意、関心が広がり、議論が制度や施策、予算や人員配置、規範として広がることを、その成功だとすると、割と世の中は動き、変わっているのだが、変わらないもの、動かないことが多々あるのは、その運動の仕方が悪かったり努力が足りなかったりするのではなく、変わらせないようにすること、動かせないようにする運動が上手くいって「成功」している、ということなのだろう。
つい、僕らは、世の中や世間を主語に使い、まるで天然自然現象のように社会の出来事を語ったり、雰囲気や空気などと言ってしまうのだが、本書で紹介される理論や構造の捉え方を使って、「誰が」を繰り返し問い、その運動をどうやってどんなふうに働きかけて、現実の動きや言説を広げているのかを見つけることが大事だ。
それと同時に、つい発露してしまう言葉が、「誰か」によって仕掛けられて、うっかり乗ってしまって発言してやいないか、自分が喋ってるつもりで「誰か」の片棒を担いでやいないか、そうやって社会を変えちゃうことに寄与貢献しちゃってるかもしれない。
お馴染みミーナ先生が、背負って書いた新書だ。肩も凝ったことだろう。
