ウチダカズヒロのブログ

最近は読書感想文を書いてます。オススメ本を教えてください。読書感想文のご依頼あれば、読みます(たぶん)。kazgeo@gmail.com まで。

読書感想文「我が身を守る法律知識」瀬木 比呂志 (著)

 紛争の解決の場面において、加害者も被害者も、しばしば能面のような表情を持たない面倒くさがりな事務的な処理によって、ひどく非人間的で杓子定規な扱いを受けてしまう、ということだ。それも、権威性を帯びて。
 さて、どうやって「我が身を守る」のか。結論としては、慎重に生きろ、ということになるだろう。救済制度をろくに知らないのに諦め絶望する必要はないが、それでも過剰に期待してはいけない。争いを避け、未然に防ぐことよりベターな方法はないのだ。
 読み進めていくうちに、ドンヨリとしてくるのは、本邦におけるノブレス・オブリージュの欠落を感じるからだ。何に対して勇敢であるべきか?である。正義を貫き、弱者を守り、愛を語る精神規範に対し、我らは、儒教精神が染みつき、主君への忠義が第一であるため、どうしても体制寄りとなって「忠誠」を誓ってしまうし、「名誉」を重んじるから無謬性に拘り嘘も糊塗してしまう。その癖、潔さをもとに死を厭わないから、人を大事にしない。そんな社会に生きているのだ。ヤレヤレ。
 最後に、瀬木先生を言葉を引用しておこう。「人々が専門家に抱いている『完全無欠あるいは少なくとも大半が高水準』というイメージは、明らかに幻想なので」ある。「先生」と呼ばれる人だって、当たり外れがあるので注意しよう、ということだ。