「教えてくれ。ジンジン!」と叫びたいオジさんは、日本に相当な数がいるのではないか。
作家の手により、いじられる対象である主人公・クワコーこと桑潟幸一の窮地。掛かる事態を見抜き、情けないクワコーの困難を救うべく、切り札をスパッと出すホームレス女子大生探偵(って何なんだよ!)・ジンジン。もちろん、ジンジンだけでなく頼りになる文芸部の皆んなによって助けられるクワコーは実に果報者である。
内輪ノリのバカバカしくもくだらない日常会話は愉快でもあるし、付き合いきれない(褒めてる)。なので真面目に読んではいけない。スピード感、なんならドライブ掛かって勢いのまま、読み進めるべきだ。クッダラネー、ゲハハハハの世界を描いた本に対しては、それなりの読み方がある、ということだ。
そうした生態や世間を描いて見せつつ、だめオジを嗤っているようでいて、こんな遠回りをしながらもエンタメを成立させている、ということでもある。そうした力量も感じないわけにはいかない。
「残念な学園」を舞台にした平成推理エンタメとして、読まれていい一冊だ。
