「女の人生」と書くと演歌の世界か。「空想女子共同生活小説」、これも少し違うか。
女性限定のシェアハウスである。実は昭和生まれが対象なので人生の後半を生きる者が入居条件だ。一本調子では進まないのが人生だ。目の前で起きていることとの折り合いをつけながら過ごすのが人生だが、その折り合いのための我慢だったり、理不尽さを受け入れたりすることにも限度がある。そこで登場するのが、転機としてシェアハウスであり、シェアハウスによる人生の転機だ。
コミュニティを成立させる空間としての「大正時代に建てられた古い洋館」について考えさせられる。二階に5つの独立した居室とトイレと洗面台も独立した部屋になっている。庭も素敵なことも加え、空間がコミュニティを作ることの意義や効能を考えずにいられない。
古い建築を維持するのは大変だ。コストも掛かる。とくに設備は維持管理や耐用年数もあるから負担感はどうしても伴う。なので、設備の新しさこそ快適さを担保する要素だったりするのだが、絶対的な空間の量や使われる部材の質や仕上げの出来栄えなど、基本性能は揺るがせにできない価値だ。いくら最新の綺麗な設備であっても、量と質が十分ではないと賄えないものがある。決して古い方がいい、というわけではなく、ボリュームやマス、マテリアルの力が歴然とあることを認めざるを得ない。
人が集まり、集うための装置としての建築とそれが育むものの価値について、あらためて見直すきっかけになるかもしれない。
ドラマ化するなら、主人公は岸井ゆきのでお願いしたい。
