神野先生「私の三冊」


 岩波文庫創刊80年記念「図書」2007臨時増刊 私の三冊 より

 アンケート:今までに読んだ岩波文庫のうち,今日なお心に残る書物,あるひと他の人に勧めたい書物を3点回答。


神野直彦

  1. 国富論
  2. 「エミール」
  3. 「若きウェルテルの悩み」

「エミール」についての短評には,「子供の頃,父の書棚に並んでいた古びた岩波文庫の『エミール』を手にしてから,繰り返し読んでいる」とある。昨日のエントリーにも書いたが,教育にこだわる神野先生ならではの原風景なのだろう。

高校の体育祭を見た。


 明るい雰囲気の体育祭だった。中学校の管理前提の催しとは違って,高校だと先生の手を離れても大丈夫さ加減が明るさの原因なのだろう。
 高校の体育祭といって思い出すのは,以下の近藤喜文の絵。日本のノーマン・ロックウェルである。「もののけ姫」の作画監督が最後の仕事となった彼が今も存命ならば,日本のアニメはどんな世界になっていたことだろう。



 日本に似合わない青い空を見上げながら,未来を信じていいのだ,と思った。コーコーセー,チューガクセー,ダイガクセー,ショーガクセーと音だけで勝手に大人は彼らのことを語っている。彼らの世界を彼らの顔を見て語るべきだ。


ふとふり返ると―近藤喜文画文集

ふとふり返ると―近藤喜文画文集