読書感想文「20字に削ぎ落とせ ワンビッグメッセージで相手を動かす」リップシャッツ信元夏代 (著)

 人生における出会いとチャンスの獲得とは、言ってしまえば、その時々の場面での「プレゼン」である。
 「喋りのできるヤツ」がいる。調子がいいだけじゃないの?懐に飛び込んで、懐いて上手くやってるだけじゃないの?と「そいつは偶然のラッキーを手にしただけ」と勝手なレッテル貼りをしてしまってやしないか。結果として「喋りのできるヤツ」と言われるは、適切なプレゼンをした者のことだ。そのことを認めなくちゃならない。
 こう考えてみてはどうか。「喋るだけのヤツ」と「喋りのできるヤツ」の違いだ。前者は、音や発声だ。後者は、相手に届け、意思や気持ちを動かしたのだ。だからこそ、「立て板に水」や「マシンガントーク」であることが本当に必要なことなのか?そこから考えてみよう。喋り倒し、情報量で圧倒することが正しい戦略なのか?。違う。聞き手が誰なのか。自分の経験や強みは何か。聞き手と語り手である自分との共通項は何か。目標や聞き手にとってもらいたいアクションとは。これらに向かってシンプルなメッセージとして伝えるのだ。
 だからこそ、朴訥となる。むしろ、聞き手に寄り添うようになる。削ぎ落とすのは、独り善がりで、謙虚さがない、不誠実で一方的な自分自身のほうだ。