学力低下 旧・Column Kazuhiro 2000

 ちょっとばかし頭に来ている。最近,大学生の学力が低下しているという。客観評価については知らないし,いろいろと意見があるのだろう。実際に大学の大教室で大先生のありがたい講義を拝聴するに必要な学力が備わっていないものも確かにいるのだろう。そんなことよりもこの学力低下という言葉を吹聴してまわる輩に頭がきている。何だというのだろう。自分はどれだけお勉強できたというのだろう。面と向かって「俺は,お前より勉強ができた」と言うことができるのだろうか。
 学ぶことの意欲を減少させていること,そして学力を表に現すことを不得手にしていることが問題だ。学ぶことは,本来,面白いことだ。何かがわかると,とても楽しいし,快感を覚える。中学生の頃,面倒臭い数式の問題を解いたときの快感について,共感を持ってもらえる人も多いと思う。学ぶことの面白さは,教えることの面白さでもある。職場の新人から「教えて欲しい」と言われ,教えてくれない先輩なんてごくごく希である。人間は本能的に覚えたいし教えたいものだ。
 学力なんてものよりも,「学ぶ・教える」から議論しなおしてみよう。
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