社会学とは個人と社会との関係の学 −15年ぶりに社会学のノートを開く

 縁あって情報社会学に関わることになり,社会学そのものをあらためてとらえ直そうと大学時代の社会学のノートを引っ張りだして開いた。何と日付が1992年。もう,そんな遥か前の話しなのか,とその時間量のほうに驚いてしまう。

 講義は,社会学史をもとにした社会学論というもので,社会学前史からサン・シモンからコントにみる社会学の成立,近代社会学としてテンニエスジンメル,デュルケイム,マックス・ウェーバーを追ったものだった。私は,どの学問でも学史にいちいち興奮するほうなので,わくわく受講したのを覚えている。地理学でいえば,フンボルトやカール・リッター,リヒトホーフェン,ラッフェル,ヴィダル・ド・ラ・ブラーシュなどと追っていくようなものだろう。名前を挙げていくだけで心踊る。

 近代社会の成立とともに,なんじゃ,この世の中は?!と叫んだ人たちが,人間と社会とに生じた新たな関係を疑問に思い,書きまくって社会学が成立したとすれば,現在の過情報下における社会と人間に生ずる関係について実践とともに考えるのが,私の作業なのだろうな,とぼんやり思う。

 楽しい社会学の時間だ。