サンダル・ボクシングを提唱します


 格闘技の最大の魅力は,ノックアウトだ。人がズゥーンと倒れていく様子に興奮する。野蛮すぎるとはわかっているし,何か見ちゃいけないものを見た感が底の方にはある。よほど WWE のショウの方が健全だとも思うが,あんまりビジネスライクになってしまうのもどうかと思う。
 ノックアウトに代表されるような刺激の強すぎる「リアル・ファイト」だが,これはこれでショウ化し,つまらなくなった。とくに K-1 は,アンディ・フグの死去以降,何度か修正を試みたが,ボブ・サップを導入し,思わぬ成功を収めると,途中,レミー・ボンヤスキーという清涼剤を得たが,巨体化は止まらず現在に至っている。巨体化は,胡散臭さが伴う。本当に効いているのかどうかわからないのだ。「リアル・ファイト」のシリアスさが伝わってこない。そう,ゾクッという感じがしないのだ。まぁ,そんなにゾクッとさせてたら興行が保たないよ,てことかもしれないけどね。
 同様に,ボクシングもスカッとすることはない。ボクシングについても上記と同様な問題もあるものの,ボクシングには構造上の問題がある。それはボクシングがダメな異種格闘技戦になってしまっていることだ。ボクサーには,基本的にインファイトとアウトボックスのスタイルがある。確かにポイント型式のゲームとしては,それでいいのだろうが「強さ」を比べる試合として成立しているとは思えない。僕らの要求は,単純である。「どっちが強いのか,はっきりさせてくれ!」だ。
 そこで,私は「サンダル・ボクシング」を提唱する。このサンダル・ボクシングとは,

  • 床にサンダルの甲部分を固定し,そこに選手同士が片足をはめて動きを半固定する。
  • ボクサーは,拳のみを相手に接触できることとし,腕,肩を含むその他を接触させてはならない。


をルールとして,闘うボクシングである。これにより,スウェーやダッキング技術の練達と的確なパンチのテクニックとパワーを競う「リアル・ファイト」が望めるのだ。
 格闘技くらいスッキリとさせて欲しいと願うこの頃である,強さを比べるためのサンダル・ボクシングを提唱したい。


 そうそう,フットワークを競うアウトボクサーのための直進ランニング・ボクシングも提唱したい。