同じ姓の知人を新聞で見かけた。


 その人は,百貨店のパイヤーだ。お会いしたのは,もう6年も前のこと。彼は,いまも当時と同じ仕事をしており,その仕事で成果をあげているとのことだった。いまと全く違う現場で働いていた私は,物産展の会場を右往左往しながら,「消費」そのものの渦の中で彼と一緒に仕事をした。
 思い出すのは,予定の期日が来た際の「ずっと,いてくれればいいのに」の言葉。もちろん,社交辞令だ。そんなことはわかっている。ただ,本音は知らずとも気持ちをこめた(ように)いろんな場面でいろんな方にいただいたありがたい言葉の一つ一つが,いまの私をつくっている。


 懐かしくもあり,見上げて考えてしまうことでもあり。