旭山動物園スタッフの思いは届いたか。


 ナショナルジオグラフィックに,旭山動物園が取り上げられていた。タイトルは,「郵便番号を旅する * ■078-8205 北海道旭川市 動物園のゴキゲンな冬」。もちろん,この時期の号だから,雪の中の動物園について書かれているわけだが,

 今でこそ冬も大盛況だが,動物園の開園当初は「寒い冬にお客さんなど来ない」というのが常識で,冬にはずっと閉園していた。転機が訪れたのは1990年1月。「動物たちはみんな,冬を楽しみながら暮らしているじゃないか」。現園長の小菅正夫さんが冬に見学会を開くと,60人の市民が来てくれた。冬の動物はおもしろい,もっと見たいという声が広がり,財政難などの苦労を乗り越えて1999年12月,やっと冬の開園にこぎつけた。初年度の冬で2万6000人,翌年は4万5000人が来園した。


p.150 ZIP JAPAN | 郵便番号を旅する ナショナルジオグラフィック 2008年1月号


と,「冬の動物園」開園までの話を踏み込んで紹介しており感心した。
 さて,この小菅園長の「動物たちは冬を楽しんでいる」の主張だが,

寒い顔。雪が降って来て、シロクマだって寒い。


アフリカで捕獲され、数ある日本の動物園の中で何故最北の地に送られたのかと思わずにはいられない、運のないキリン。寒そうでたまらない。やはりあまり動いてません。


毛をまとっていても寒い。旭川とはそんな所です。体半分草に埋まったまま動かない羊。寝ちゃだめだ!と教えてあげたい。


どさんこ馬。奥の馬は立ったまま微動だにせず。飼育係に安否確認のため遠くから名前を連呼されていたがそれでも反応無し。確か「晴子」とかそんな名前を叫ばれていた。


旭山動物園 - 生八ッ橋につつまれて。


とのこと。来園者には,伝わっていない様子だ。

 「よそでは絶対にまねできないのが,旭川の寒さと雪。冬景色の中でこそ輝く,動物たちの素顔を見てもらいたい」と,小菅園長は言う。彼らには寒さが必要であり,寒さを守ることが,彼らを大切にすることなのだ。旭山の動物たちが,本来の生息環境や地球の温暖化に思いをめぐらすきっかけになってくれればと,スタッフの思いは熱い。


p.150 ZIP JAPAN | 郵便番号を旅する ナショナルジオグラフィック 2008年1月号


と,スタッフの思いはグローバルな視点へと発展しているわけだが,

動物のためにも早く春が来ます様に。

北国動物園は恐ろしいところでした。


旭山動物園 - 生八ッ橋につつまれて。


 旭川に早く春が来てしまうようだと,地球温暖化は極致に達したということになるんだろうな。北極海の氷が保たれるように,旭川にも相応の寒さが訪れますように。
 「恐ろしい」ほどの寒さには,しっかりと防寒着を着込まないと,楽しめるはずの寒さもツラいだけにしかならない。北国のツアー会社はそうした情報もあわせて提供することも必要だろう。「パタゴニアのプルオーバーを着て,ソレルのウィンターシューを履いて,おいでやす」と。