コーヒーは美味しくなきゃ


 実は,ここだけの話だが,スタバでバイトするのが夢だ*1。「ランプの下でお待ちください」と言ってみたいのだ。夢が叶った際は,どうか,私をバリスタと呼んでいただきたい。
 スタバとは浅からぬ縁がある。私が初めて飲んだフレーバーコーヒーは,建築家の知人がニューヨークに行った際のお土産で,スタバのバニラフレーバーコーヒーだった。もう10年以上前の話でスタバの存在なんて知らず,ロゴのセイレーンにも,ふーん?と眺めただけだった。コーヒーのくせにバニラが香るコーヒーは新鮮で,コーヒーの違う楽しみ方を教えてもらった。もちろん,コーヒー本来の味ではないので,こうしたバリエーションを楽しむというものであったし,自分でその後に買うことも無かった。
 スタバに行くと落ち着く。ほんとうに落ち着く。子どもと二人で出かけるのも悪くないが,夜遅くにコーヒーのある空間に一人で耽溺するのが好きだ。まさにサードプレイスにたたずむという狙ったとおりの客だ。近所にスタバができる前までは,出張時にスタバに寄ることを楽しみにしていた。帰りの列車に慌てて乗り込むより,スタバでコーヒーを飲んでから改札に向った。もちろん,空間も好きなのだが,ディープローストのコーヒーもいい。しっかりとした味が美味しい。コーヒーはこうでなきゃ。こうしてスタバに出かけてコーヒーを飲むのが好きなので,スタバでコーヒーを買おうという気は無かった。
 先週来,自宅のコーヒーがきれた。その直前にコーヒー豆の計量カップも柄が折れて無くなっていた。飲みたいときに飲めるコーヒーが無い。不便だ。さて,何を買おうか。スーパーでどうでもいいコーヒー豆を買おうか。ディスカウント店であやしいコーヒー豆を買おうか。あ〜,イヤだ。やっぱり,せっかくなんだから美味しいコーヒーが飲みたいです。つーことで,スタバへゴー。
 スタバのコーヒー豆カウンターの前に立っていると,店員さんがめざとく見つけ声をかけてくる。す,素早い。さすが未来の先輩である。試飲を勧めてくる。素直に従う。試飲カップを一息で飲み干すといつもの深い味のスタバだ。勧められたのは,コスタリカ。高校生のときに自分で選んで買った初めてのコーヒー。つくづくご縁だねぇ。ただ,もう少し酸味があった記憶があるが,昔を美化し過ぎか。酸味があるのが好みなんだよね,とつぶやくとケニアもいかがでしょうかと言ってくる。少し迷ったが,期間限定の


スターバックス コーヒー | ベラビスタ F.W. トレスリオス コスタリカ


をチョイス。コーヒー計量カップはカリタのステンレスを買う。
 で,飲みましたよ。美味しいねぇ。少し,高くてもいいよねぇ,と思わせる。飲むとすっかり気分を変えてくれる。美味しさは力だ。
 せっかくのコーヒーなんだから,美味しくなきゃ。ちなみに次はケニアです。



*1:ユニクロでバイトするのも夢です