ホーム・ビジター


 ずいぶん,時間が経ってしまったような気もするのだが,一昨々日,プロ野球観戦をした。たまたま招待券をもらって偶然手にしたチケットがちょっとだけ考えさせてくれた。
 対戦は,北海道日本ハム埼玉西武。実は私は根っからのライオンズファンである。しげる松崎が歌うライオンズの歌を歌える。サビなら任せてほしい。大声で歌える。なんてったって,打順が,スティーブ,テリー,田淵,太田の頃からのファンなのだ。監督はのちに管理部長となる根本さんの頃からだ。清原や松坂らのスターがいるのはしんどいので,現在のチームがとても好きだ。これがライオンズっぽい。
 試合開始10分前に球場に到着。僕らはビジターなのでレフト側外野席に直行する。こっち側だとほどほどの混み具合。あ〜,嬉しい。外野芝生席に自分の場所を確保できるのも嬉しいが,なんたってわれわれ青き応援団と合流できたのがたまらなく嬉しい。



大声を出す。一緒に歌う。相手ピッチャーを脅す(この辺は浦和レッズっぽい。やはり埼玉のせいか)。この一体感!大満足だ。私の横では小学校低学年以下の男の子二人を連れた夫婦が飛び跳ねている。私の後ろでは女子二人も跳ねている。この子たちの声もきれいだ。



 応援するチームがあるということは,帰属する文化を持つことに近い。包まれる感じ,帰る場所があるという感じである。こうしたいつでも迎えてくれる仲間がいる。なんて幸せなんだろう,と思う。特に,こうした敵チームのホームに,ビジターとしてちんまりと観戦する際の心細さを結束で克服しようとする仲間の確認。「僕ら」感とでも言おうか。ああ,この仲間がホームなのだ,と。
 試合はあっさりと負けた。それでも僕は得たものが大きい。