論文の内容や国会での言い振る舞いよりも,職権で行った「問題」こそ問題

防衛省は、前の航空幕僚長が更迭された問題を受け、自衛官が広い視野をもてるよう国内外の大学で学ぶ機会を増やすなどとした、再発防止策を盛り込んだ報告書をまとめるとともに、全国の部隊に懸賞論文への応募を勧めた航空自衛隊の幹部2人を注意処分としました。

防衛省は、田母神前航空幕僚長が、さきの大戦をめぐる論文を発表して更迭された問題を受けて、自衛隊で行われている歴史教育などを検証し、このほど報告書をまとめました。それによりますと、自衛隊歴史教育について、田母神氏が、以前、学校長を務めた「統合幕僚学校」に設けた教育の課程や、一部の教材に問題はあったものの、全体として、内容に特段の問題は確認できなかったとしています。そのうえで、再発防止策として、幹部自衛官に対し、文民統制の理解を深めるための研修を行うほか、自衛官が広い視野をもてるよう教育を行い、国内外の大学で学ぶ機会や、防衛省だけでなく、ほかの省庁で勤務する経験も増やすとしています。一方、企業グループの懸賞論文に、田母神氏のほかに97人の自衛官が応募していた件では、それぞれの論文の内容に問題はなかったとしたうえで、全国の部隊に応募を勧めた航空自衛隊の当時の人事教育部長と教育課長の2人については、社会的影響を慎重に配慮するべきだったとしていて、防衛省はこの2人を注意処分としました。


NHKニュース 防衛省 懸賞論文問題で報告書
12月25日 19時49分


 「自衛隊歴史教育について、田母神氏が、以前、学校長を務めた「統合幕僚学校」に設けた教育の課程や、一部の教材に問題はあったものの、全体として、内容に特段の問題は確認できなかった」とのこと。
 大臣の指示,命令に従わなかったり,規則に反した行動をあったわけでなく,内容の是非はともかく個人の主義主張をプライベートでどうしてくれようと勝手なのだけど(まあ,肩書きはついてまわるわけだし,地位あるものの処世としてどーよ,ではあるけどね),「特段の問題は確認できなかった」はまずい。なぜって,これは氏が職務としての「教育の課程や、一部の教材に問題はあった」だとすれば,このことを理由に解任,処分は相当していい。
 職権で行ったことと,プライベートで行った論文書きとを区別して対処すべきだ。法治国家なんだから。