「かんけーねーし,たりーし,めんどくせーし」と言っているのは誰か。


 ウノっちが今日も言論している。そんじゃ,掲載紙の朝日新聞をちゃんと読まなきゃね。

 平和や公正を重視する「リベラル」の声は、若者に届いていない。東京都知事選の結果をそう読み解くのは評論家の宇野常寛さんだ。


若者に届かぬリベラル 宇野常寛さん、都知事選を読み解く:朝日新聞デジタル


 さて,リードの一部,引用終了。本文にいくよ。

 「ネット保守」と呼ばれる層に人気が高いとされる田母神俊雄氏の票数は衝撃的でした。マスメディアの出口調査によれば、投票した20代の4分の1近くが彼に投票しました。かなりの割合が「ネット保守」と考えると、リベラル勢力は自分たちの言葉が届かない若い層がこれだけいるということを軽視してはいけないと思う。マスメディアだけの問題ではないと思います。僕を含めた30〜40代のインターネットに足場を持つ若いジャーナリストや言論人の言葉が、ネット保守の動員力に対抗出来ていない。


若者に届かぬリベラル 宇野常寛さん、都知事選を読み解く:朝日新聞デジタル


 61万票を超えた田母神氏の得票に多くの言論人が驚いている。「ネット保守」(≒“ネット右翼”,”ネトウヨ”,"新保守","ネオコン"と言っていいのか)が,社会の一定の「層」として見出せるようになった,からだろう。

 僕の考えでは、こうした若いネット保守層は甘く見られてきた。承認欲求が満たされない「かわいそうな若者」とレッテルを貼り、ただ軽蔑して済ませていた。


若者に届かぬリベラル 宇野常寛さん、都知事選を読み解く:朝日新聞デジタル


 「あー,おバカなことを言っているな。余計なことを言わなきゃいいのに」と済ませて,まともに相手にしなかった面があるのだろう。根拠も無いようなことを,非論理的にぶちまけられれば,かまうのすらバカらしくなってしまって。

現実に東アジア情勢は緊迫し、北朝鮮の状況も混迷している。この状況下で、防衛、外交方針を具体的に打ち出す保守派に対して、リベラル勢力は数十年前から更新されない言葉で教条的かつ精神論的な憲法9条擁護論を繰り返すだけで、現実に存在する国民の不安に対応しようとしない。

 たとえば、自民党国防軍の明記などを盛り込んだ憲法改正草案を発表したとき、多くのリベラルな憲法学者たちは「憲法とは何かを分かっていない」と自民党案をバカにした。もちろんこうした指摘自体は妥当だったと思うし、個人的にも支持します。しかし、リベラル勢力はこうして相手をバカにするだけで自分たちは具体的な、現実的な処方箋(せん)を出せていない。これでは、実際に国防に不安を抱いている人々を安心させるどころか、「この人たちは自分たちの話を聞いてくれない」と心を離れさせるだけです。


若者に届かぬリベラル 宇野常寛さん、都知事選を読み解く:朝日新聞デジタル


ある種のデタラメや感情に任せたもの言いが,ネットを介して互いに結びつきやすくなっているのだろう。世の中はあまりにも複雑で,いっぺんに変わって片付いてしまうようなカタルシスを感じれる日常は無く,明日も所詮,今日の延長だったりする。そうした中で,我慢できずにスッキリしたい!見たくない!考えたくない!と,他者を排除し,罵倒なする行為で代償しようとする,「若いネット保守層」。「現実」を知っている大人は,様々な問題を取り巻く支点,力点,作用点を知っているだけに,対応として「うるかす」という方法をとる。これを説明するのは,何もしない,答えないことの説明となるので,言い訳がましく,女々しく映る。見ている側には,当然,フラストレーションが生じる。

 私見では、国家に軍事力が必要であることも、近隣諸国の反日ナショナリズムの問題も一通り認めた上で、保守派の掲げる「重武装化」や「強気外交」以外の現実的な選択肢を提示することが、リベラルの側にもっと必要だと思う。性急な改憲や重武装化以外の手段を講じた方が、国防に結びつくというアピールが足りていない。その背景にあるのは、リベラル勢力のある種の大衆蔑視だと僕は考えています。


若者に届かぬリベラル 宇野常寛さん、都知事選を読み解く:朝日新聞デジタル


 そう。教養のある人たちによる「バカに言っても通じない」の知的怠惰=蔑視だ。一見,卑怯のようであっても,現実問題への対処としてしようのない現状を,言葉尽くして丁寧に伝えることが大事なのだ。
 新保守が可視化されたことに,もう驚いていてはいけない。これが現実だ。怠けていた結果だ。「かんけーねーし,たりーし,めんどくせーし」と言って,大衆との対話を怠ったリベラルの側の責任だ。