清さと潔さ



 写真は,某市の首長選の投開票翌朝の某候補事務所前の様子。
 一つは,「ご近所の皆様へ 期間中はお騒がせいたしました。 感謝申し上げます。」の看板。もう一つは,「あたたかいご声援ありがとうございました」。選挙事務所の運営について,詳しくないのでわからないため,選挙後にどの事務所や選対本部にも,こうした看板がよく取り付けられるのか,こうしたことが当たり前にあることなのかは,知らない。案外,これが普通のことなのかもしれないが,私には新鮮に映って,シャッターを押した。
 とかく,「祭り」のあとは,内輪の高揚感がすべてを覆ってしまって周りが見えなくなってしまいがちだ。勝ち負けはあっても,それぞれが推す候補への理由が先走るから,内圧が高くなって,周囲の存在には粗雑な応対になってしまうものだ。ところが,ここでは,真っ先に礼を尽くそうとしている。
 「よく教育されている」。私は,そう感じた。この事務所を取りしきる方が,よくよく気配りをされているのだろう。
 清々しさを感じたし,感傷に浸ることのない潔さも感じた。
 こうしたことは当たり前にある様子なのかもしれない。だが,当たり前のことをちゃんとできることが大事なのだ,と思わずにはいられない。