私が好きなNHKのドキュメンタリー。しかも，ショートタイム。見る側に負担がかからない…，わけでもなく，やはり見終わったあとには，それなりの波紋が広がる。なので，録画しておいたにもかかわらず，結局，見ないで消去してしまうこともあったりもする。
録りためておいたままになっていた番組を見た。NHK ドキュメント20min.「母が突然、女子大生になった!?」。てっきり，私は，ディレクターは女性だろうと，勝手に決めていた。そうして，番組はサラリと見られるものだろう，とも。見始めると，実は男性ディレクター，24歳。若い。彼の愛する母なのだ。男子がこの若さで，このテーマかよ，とも思うけど，最近はそうなのかもしれないね。男子はやさしいから。
番組は，母を追うドキュメンタリーから，母とディレクターである息子との関係を追うドキュメンタリーに，そして，終盤は，彼自身の心を追うドキュメンタリーへと変化していく。子離れをしていく母ではなく，親離れをできないでいる僕が描き出される。
20分の番組だが，撮影・制作の方針，構成のディレクションなど，彼の上司が噛んでいるのだろうな，とも感じた。これを見た女性の感想を聞いてみたい。ナイーブすぎる彼が，どう見えるのかを。
そして，こうとも思う。ビデオカメラという鏡は，対人関係や，その人自身を写し出してしまうんだなあ，とも。
