支える人を支える作法


 もうすぐ,2011年が終わろうとしている。
 あれやこれやと今年を振り返る作業をしている人も多いだろうし,今年ほど「被災」ということを突きつけられた年もなかったことだろう。実際に現地に乗り込むようなアクティブな体験をされた方もいらっしゃるだろうし,いくばくかのお金を募金箱に投函してみた方もいることだろう。
 支援する,支援をしたい,そうした気持ちを持つと,とかく,直接に被災している方を渡したい,届けたいと思ってしまう。ただ,実際は,すでに多くの「縁の下」の方々によって社会が成り立っているのと同様に,現地も「縁の下」の方々の活躍によって支えられている。
 では,遠方の我らの支え方において効果的な方法とは何だろう。

以前被災された組合員の方から,職員向けに送ってくれた物資がとても有り難かったという話しをうかがいました。「職員一同様」と書いてあるものは使えるけれど,避難所にあるものは使えない。組合や事務所に届いた,衣料品や食べ物が嬉しかったと言っていました。今回も物資を組合員向けに届けたということですが,渡し方も考えないといけないし,難しいことだと思います。


p.6 「自治労通信」2011.9.10


例えば,現地を支えている行政職員の多くは真面目に,真っ当に働いている。そうした彼らは,高い倫理基準のもと,その地域に送られてものを,当事者でもある自分たちを除いた「地域」を支えるものとして役立ててしまう。本当は,「縁の下」である彼らが活躍してもらってナンボだ。その彼らを「頑張って当然」と突き放すのではなく,現地を日頃支えている彼らを応援することこそ,その地域を支えることになる。ならば,「職員一同様」と書いて送ることの意味がそこにあるのだ。
 また,同書にはこんな記述もある。

 有事の際には,やはりOBの方の力が必要になると思います。皆さん元気ですし,組合運動をしてきた人たちだから意識も高いし,声も大きいし,仕切り方も上手いし,交渉もうまい。


p.6 「自治労通信」2011.9.10


 OBが,すぐアクティブになるような,災害用スタンバイ要因としての連絡体制網も必要になっていくだろうな。