今年最後のブログ更新は「常識外」のチェーンストア経営


 気になっていたので,手元に置いておいた新聞記事に触れて,今年のブログ・エントリーの最後の更新にしたい。
 記事が紹介するのは,西松屋チェーン社長の大村 禎一さん。京大大学院の金属工学を学んだ理系社長だ。
 この社長の経営方針が「店舗増で増収増益」。何をいまどき,とも思う。だが,普通は繁盛店を目指すはずが,「ガラガラ店」だという。

 17期連続増収。業績と積極出店からは,店の繁盛ぶりが目に浮かぶ。だが,出店戦略はよく,「ガラガラ経営(店舗)」という意外な言葉で形容される。どの店も「すいている状態を保つ」からだ。


2012年(平成24年)年12月8日 朝日新聞 be「フロントランナー」


好調な業績とガラガラ。エッ?どういうこと?ってなるでしょ。

 「すいているほうがお客さんは落ち着いて買物ができて満足するし,従業員も働きやすいからいいんです」


2012年(平成24年)年12月8日 朝日新聞 be「フロントランナー」


たしかに,店員とのコミュニケーションが煩わしかったりする。だからって,その顧客の満足にフォーカスする?

 「セルフサービスが最高のサービスだ」と考えています。つまり,お客さんの来店時に,すでに全てがサービスされている状態が理想です。商品選びに迷いすぎないよう品目数も適度におさえ,陳列方式,売り場表示,商品案内などすべてを完璧にしたい。そうすれば,お客さんに何の疑問もわからせることもなく,ゆったりと買物していただける。


2012年(平成24年)年12月8日 朝日新聞 be「フロントランナー」


顧客満足を高めるために,営業効率を高める。そのための「ガラガラ店」。
 発想を変え,改革を連続させる。これを肝に銘じて年神様をお迎えしよう。では,また来年。