年神様をお迎えしているであろう皆様へ


 新年あけましておめでとうございます。
 私は静かな朝で,これはこれで結構うれしい。朝の雪かきに少し出遅れたかと思ったのだが,隣のおばちゃんと新年のあいさつができた。これでマル,一つ。
 年末になり新聞紙上もお正月の解説記事が多く,今までボンヤリとしていたことを整理してくれていたのでメモをしとく。

 昔は,年神様が年魂(としだま)を我々に授け,みなが1年に1歳ずつ年をとると考えられていた。年末に年神様を迎え,年神様が宿る場所がお餅だった。雑煮は,年神様をお迎えして食べるお供え物で,地域や階級で具材が違った。雑煮を知ることは日本人の文化や考え方を知ることなのだ。


 2012年(平成24年)12月25日 朝日新聞 ふるさとfood記「お雑煮東西自慢」


「ザ・トシガミ in あなたが今,食べている餅」である。年とったか?
 せっかくなので,もう一つ。

 主役は「年神様(としがみさま)」と呼ぶ新しい年の守り神で,広く先祖の意味だといわれる。大みそかの夜から元日の朝にかけて自分たちの家に来て,共に過ごし,送り出すまでがひとつの流れだ。まずは家を清める大掃除,年神が降りてくる場に門松を立て,しめ縄は家での居場所をあらわす目印だ。鏡餅は年神への供えもので,年神と人が共に食事をするためにおせち料理を作った。1月15日ごろ,正月飾りを燃やすどんど焼きの火で,年神を送り出して締めくくる。


 2012年(平成24年)12月30日 朝日新聞 新聞でまなぶ


大掃除したか?門松立てたか?しめ縄締めたか?鏡餅供えたか?雑煮食ったか?凧揚げしたか?羽根つきしたか?コマ回ししたか?福笑いやったか?一つ一つに,年神様やら縁起物としての意味がある。それらがわかり始めると急に大事なものに思えてくるだろう。「つーか,きーてねーし」と言われそうだが,私もそうだ。
 形骸化した風習は廃れ,その時代に気分にマッチしたものが残るのだろう。世界がコマーシャルベースにフラット化していく中で,新たな風習もアッという間に広まり定着もするだろう。
 さて,私も明治以降に,電鉄会社が新たに広めた風俗である初詣に出かけようか。餅は食ったことだし。