読書感想文「1兆ドルコーチ シリコンバレーのレジェンド ビル・キャンベルの成功の教え」エリック・シュミット (著), ジョナサン・ローゼンバーグ (著)ほか

 金曜の午後は,職場の連中を連れ立ってバーへ繰り出しパーティをする。日ごろ,絶えず,部下本人の様子を気に掛けるばかりか,部下の家族に何かあれば部下の尻をたたいてでも家族のもとへ向かえと言い,職場の定例ミーティングの冒頭には,週末をどう過ごしたか,旅行へ出かけたなら,その報告をさせる。そんな人間関係重視の職場運営。昭和の時代に絶滅した,と思われていた家族主義的な暖かな職場運営。そんな昭和の時代の面倒見のいいオジサンが,実はシリコンバレーでトップリーダー達の相手をしていた!という驚きの事実。彼の地は新自由主義成果主義の大競争!じゃなかったのかよ!何なんだよ,と思わせる。最新の組織心理学の研究成果からも人材管理とチームコーチングの重要性が明らかにされているという。
 ごの伝説のコーチとは,ビル・キャンベル。1兆ドルとは,ビルが関わったGAFAを含むシリコンバレーの企業群の企業価値の象徴である。
 私は,当分,この本を手放せない。